みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

チャレンジド/NHK土曜ドラマ

先日から始まったNHK土曜ドラマ「チャレンジド」。
全盲になってしまった教師が再び教壇に立つ物語。

題名の「チャレンジド」は、
「障害がある人」を表す呼称としてアメリカを中心に使われている、
「the challenged」
を語源とする言葉だ。
『挑戦という使命や課題、挑戦するチャンスや資格を与えられた人』という、
マイナスイメージでない呼称として、日本でも、定着させる動きが、各地である。
私も力が長期入院している時に偶然知った言葉。なるほどねえ、と納得させられたし勇気づけられた。


NHK土曜ドラマは、映画化された「ハゲタカ」はじめ、おもしろいものに当たることが多く、
前クール「再生の町」も、前半は見逃したが、とてもよかったので、
今回も、チャレンジド、という題名にもひかれ、録画して深夜みてみた。

まだ初回しか見ていないが、もう見なくていいか、と思った。

チャレンジド、という呼称を多くの人に知ってもらいたい、という制作者意図には共感できるし、
主役演じる佐々木蔵之介もさすが最近の売れっ子、とは思ったが、
このシチュエーションて?そりゃないやろ、と思うところたくさんだった。

オリジナルの脚本とのことだが、これを書いた脚本家の方は本当に、
全盲の教師を何人かでも実際に取材したのだろうか?
チャレンジドといわれる人の現場を実際に見たのだろうか?

主人公は両目の視覚を失ってリハビリし、盲導犬との訓練を経て、採用された学校に赴任するのだが、
いきなり職員たちからわかりやすいびられ方をする。

まだ、力が社会に出たわけではないので想像の域は出ないが、
きっと、一般的な社会では最初は、皆腫れ物に触るように親切なことが多いだろう。
にこやかに笑って受け入れてくれる風だろう。
でも、最初から、心から親切に、理解してくれる人は、なかなか数少ないような気がする。
ちっ、と嫌悪感を抱いている人もいれば、あーあ、かわいそうに、と同情満杯の人もいるはず。
当人はそれがわかるから、つらい。
でも顔には出せない。それも踏まえつつありがたく仲間に入れてもらってどうにかやりくりしていく、
というのがよくあるパターンのような気がしている。
(思い込みだったらすいません。)
でもその中で、理解しあえる人たちが出てくるだろうし、うまくいく人もたくさんいると思う。
と、思いたい。

だから、このドラマのようなわかりやすい状況は、はっきりいって、ない!と思った。
ていうか、教職員の職場としてこんな描き方をして、逆に大丈夫か?と心配してしまった。


(私の個人的感想なので、ご容赦いただきたいが、)
全体的にドラマのためのドラマ展開がとても鼻についてしまった久々の作品だった。
友人(先輩母ちゃん)に、自閉症のお子さんがいる方がいて、
数年前に、自閉症を題材とした人気アイドルを主役に据えた連続ドラマが放送されていたので、
見てます?と聞くと、
「あんなのね、もう私、見ること出来ないのよ。やっぱり、美化されているっていうか。。。」
と言葉を濁されたことを思い出した。
確かに、制作側としては、視聴率大事。
わかりやすく、美談化しないと、ドラマとしては確立しないと思ってるのかもしれない。


それでもこのドラマ、視聴された方々が、一人でも多く、
「チャレンジド」
の意味を少しで理解してくれると、それはそれでいい、とは思う。



でも納得いかんなーー。(まだ言うか)