少し前のことになる。
おねえたちの夏休み最後のイベントである初のピアノコンクールでは、
なんとか二人とも入賞することができて賞状をもらえた。
その翌日の朝食後、二人でごちゃごちゃ話していた。
「でもさあ、うちらふたりだけもらって、ちーくんに悪くない?」
「そうやねえ、ちーくんも賞状もらってもいいよね。」
「でもさ、コンクールには出てないけんねえ。どうしよっか?」
「そうだ!おねえちゃんから、ってことで、作ろっか。」
「いーね、いーね!」
ということで、二人で話がまとまり、子ども部屋にこもってなんだかんだやり始めた。
しばらくすると力のところに来て、リクエストを聞いている。
どうも、賞状の枠のデザインのことのようだ。
(天文担当の)N:「ちーくん、あのね、賞状の絵やけど、宇宙の惑星とかで、いい?」
力:「??ぷー、ぷー」
N:「あのね、星とか、月とか、木星とかさ。かっこいいよー。」
力:「ぶうぶう、ぶうぶう」
しばらくして、も一人。
(かわいいもの担当の)R:「ちーくん!絵やけどさ、クローバーとか星とかハートとか、あるけど。」
力:「??ぷー、ぷー」
N:「かわいいーよ。あ、かっこいいー、のがいい?」
力:「ぶうぶう、ぶうぶう」
そこで、母口をはさむ。
母:「あのさあ、宇宙とか、クローバーとかいっても、ちーくん、よくわからんけんさ、
実際サンプルの絵を描いて、見せてみたら?それで、ちーくんに選んでもらえばいいやん。」
R:「あ、そーやね!おねえちゃん、書いてくるけん、ちょっと待っとって。」
しばらくして、サンプルを手に持ってやってきた。
R:「はいー、これどうかな?うーん、違うねえ。これは?おおー。これ気に入ったと?わかったー。」
どうも絵柄が決まったらしい。
またしばらくして、
N:「ねーおかーさーん、なんか厚紙ない?」
昼前にできあがった模様。昼御飯のあとに渡そう、と、二人でひそひそ話している。
昼食後、いそいそと、音楽つきで、二人で「ひょーしょーじょう!ちからさま!」
と渡していた。
賞は、「るすばん賞」
絵柄は、宇宙とクローバーと晴れた空。絵柄は二人の合作らしい。
なかなかほほえましい場面であった。