みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

日食観測の日

本日は待ちに待った日食の日だ。
天文担当のおねえNはもちろん、母もかなり盛り上がってこの日を待っていた。

本来なら、本日力の通園日だ。しかもリハビリあり。
本当は行かねばいけないのだが、事前に、保育士の先生たちに、
「あのー、22日、日食なので、休んでいいですか?」と恐る恐る尋ねると、爆笑されてしまった。

天候のことがあるので、当日連絡しますが、多分休みます、と伝えていた。
が、当日朝、そのことはすっかり頭から消え去っており、先生から確認の電話をもらってしまった。。。
(すいませんでした~。。。)

当初、家のベランダからおねえたちと観測する予定だったが、
数日前、じいちゃんとばあちゃんから連絡があり、観測会に行くなら留守番に来てやるよ、との申し出。
近隣の大きな公園で、先着300名に日食メガネを配布し、観測会を催す、との、記事があったのだ。

せっかくの申し出だ。お願いすることにした。

じいさんばあさんは、早朝からやってきてくれた。
こちらは、力のことがあるので、なかなかすぐには出かけられなかったが、
大体やるべきことは済ませたら、ばあちゃんが留守番で残ってくれることになったので、
じいちゃんと、おねえたちと、おねえのお友達1人を連れて、出かけた。

近隣の公園は、車で5分ほど。人工池がある、大きな気持ちいい公園だ。
周知してあった受付時間の30分前に到着したが、すでに長蛇の列。ぎょえー。

こりゃー、もらえんかも、と思っていたが、ギリギリで、私たち全員分ではなかったものの、
いただくことができた。もともと持参していた日食グラスと遮光盤と合わせると、観測には十分。
私たちの列の少し後ろ位で、配布終了となったらしい。

イメージ 1
いただいた日食グラスはシンプルな手作りのものだったが、
メガネ部分には推奨のソーラーフィルターが使ってあり観測には申し分ない。

イメージ 2
早速木陰にシートを敷いて観測開始。
既に、たくさんの人が、シートに座ったり、
テントを張ったり、折りたたみ椅子に座ったりして、
スタンバっていた。

当地では、9時半過ぎから食開始。少しずつ欠けていくので、皆、のんびり観測だ。
曇っていたし、水辺だったので、思ったより涼しくとても気持ちいい。
私たちの周りでは、機材を抱えてがっつり観測している人は見かけなかった。
どちらかというと、みんなピクニック気分だ。

イメージ 3
天文担当Nはスケッチをしながら観測してたが、
Rはぼちぼち。ほとんど遊んでいた。

少しするとテレビ中継もきた。雲行きは怪しいが、全く雲に隠されてしまう時間は長くはなかった。

イメージ 4
曇っている影響もあったのだろうが、
食分が大きくなるに従いだんだん薄暗くなってきた。
最大食分は当地では約90%とのことだったので、
すっかり暗くはならないのだが、
実際、最大の時は、妙に神秘的な雰囲気。
どきどきして感動した。
通常の日中の暗くなった感じではなく、
夜の明るい月明かり、のような感じ。
とても不思議な数分間。
体感できて本当にラッキーだ。

どうしても証拠を残したいなあと、持参した普通のデジカメで撮影しようとしたが、
やっぱりうまくいくはずなし。
ていうか、これって禁止事項だ。子どもたちに、あー、ダメよう、と注意されつつ、
そーよねー、ダメよ、キミたち、真似したら!と言いつつ性懲りもなくトライしていたところ、
少し雲が厚くなってきた時に光が弱くなって逆に撮れた!三日月みたいな形のピカピカの太陽
イメージ 5

ちょっとアップはこんな感じ。
イメージ 6


直接観測する楽しみのほかに、ピンホールからの欠けた太陽の像を映して楽しむ方法があるが、
子どもたちがやっていたので、見せてもらった。(テレビカメラも映していた)
丸いピンホールが、欠けた太陽と同じような三日月になっている。
イメージ 7イメージ 8

力の食事時間があるので、食の最後まで観測はせずに帰宅した。
力は、朝の注入後、結構吐いてしまったらしい。ありゃー。
そのまま寝てしまって、私たちが帰宅した時は、ぼんやりしていたので、少し心配したが、
少しずつ元気になり、通常通りだった。

本当は力の日食時の様子を、私の不在時にビデオにでも納めてもらおうと思っていたが、
あまりの朝のばたばたで、それどころではなかった。
状況的には、吐いて寝てぼんやり、が日食時の力の様子、ということらしい。

力の日記だが、本日は日食デーということで、力の写真は撮れず仕舞い。
というのも、
母、帰宅後、久々の長時間の外遊びで、すっかり体力消耗してしまい、
午後いっぱい、力の横でぐったりしていたため。いかんねえ、この情けない体と言ったら!
隣で力、私をしこたまけっ散らかして、御機嫌であった。

夕方はおねえ達と一緒に、日食特集をテレビで見た。
洋上の日食の美しさは、涙が出そうだったが、
N、その映像を見て、26年後、必ず、皆既日食を観測しに行く!絶対行く!と、心に誓ったようだ。
お母さんもお父さんも力も、と、一緒に行くつもりらしい。

その時は、君らみんな、父ちゃん母ちゃんになっとうかもよ。
ていうことは、私はばあちゃん!

いい大人になった力も一緒に、行けるといいなあと思いを馳せつつ、
日食観測をできるような状況になり、また、幸運にも当地で、娘たちとともに観測できて、
しみじみ、いろんなことに、感謝の気持ちでいっぱいになった、本日日食デーであった。

26年後、みな元気で、一緒に見ることができるといいな~。