みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

定期受診とプール調整

力は一月に一度は必ず受診している。
不定期受診も数科あるが、定期的に受診せねばならないのも、4科ある。
受診は一苦労だが一日で終わらせた方が、移動の負担も、感染リスクも減るので、
母子ともに、その日だけ頑張る。

雨にならないかと思っていたが、意外に天気がいい。良すぎるほどで暑い。
かかりつけ病院は、駐車場と病院の動線が非常に悪いので、(古い建物だから仕方ない)、
雨降りや大風はもちろん困るが、
特に力は、暑さにとても弱いので、受診後のギラギラに焼けた車内をどうするかが、
本当に悩むところだ。夏本番でないからまだいいが。

イメージ 1
暑さを少しでも緩和するべく、
今日は、上下ともに、
おねえ達のお下がりでないおニューのドライ素材を着用。
いつも、いかにもおねえのお下がりぽいので、
今日のいで立ち見て、
いつも声掛けてくれる看護師さんほか、
あらー、今日は男の子っぽいね!
サッカー選手見たいやん!と言われた。
そういえば、
キャプテンマークもつけている。
(実は掻きむしり防止用サポーター)
ははは。

いつもよりも混んでいるような印象を受けたが、意外にさっさと進んで行った。

最初は耳鼻科。

前回の受診から、いくつかトラブルがあったことを医師に話した。
まずは、気管切開孔の上部の傷が出血したり、膿が出たりしたこと。
また、ちょっとしたヒヤリものとして、
前回受診後2週間もたたないうちに、
カニューレの紐を通す穴が片方、いつのまにか切れ目が入ってしまっているのを発見したこと。

イメージ 2
今力が使っているカニューレは、
人工鼻を取り付ける部分と、
気道内に入る部分の材質が違う珍しい種類のものだ。
いくつかの変遷を経て、これに落ち着いたのだが、
何と言っても気道内に入る部分の柔らかさがポイント。

柔らかいので気道に負担は少ない分、材質的には脆弱だ。
力はしっかり紐を結ばねば痰が多くなってしまうため、
いつも、この紐を通す穴は大丈夫か?と心配でチェックしていたことが奏功して、
切れ目を早くに発見できた。
そのまま使っていて、気づかぬうちに何らかの原因で切れてカニューレ抜去の事故があり得る。
絶対に避けねばならないことである。
メーカーに報告上げてもらうことになったが、何となく心配だなあと思っていたところ、
イムリーにも、
カニューレセミオーダーメイドの種類にかえてみよう、という提案があった。

少し昔は、カニューレはほとんどがオーダーメイドだったらしい。
でもそれが、医療制度変更などの影響から、汎用性になり今に至る。
だから、こちらがカニューレに合わせて慣れなければならなかった。

力もそういうわけで、いろんな変遷を経たのだが、
この度、セミオーダーが復活したらしく、トライすることになった。
合うといいなあ。いろんな問題が解決できそうだ。

耳掃除もしてもらい(力の耳穴はとても小さく家では無理)次に外科で胃ろうボタンを交換。
すぐに主治医の診察と、神経科も続けて入って、ささっと終了。

通園施設の先輩のぼくとまた会ったので、
お母さんにいろいろと尋ねたりする余裕もあった。

受診中に少し寝たのが良かったのか、帰宅後はなかなか元気だった力。
夜も早めに寝て、夜中少し起きたが、普通に過ごせてよかった。

受診日は、もう一つ、同時進行で調整していた。プールのことだ。

通園施設で、3歳以上児を対象に、年に一回程度、公共施設のプールに出かけてプール活動がある。
昨年までは、ベランダでゴムプール水遊びだが、
以上児ともなると、親子ともども慣れてくるので、子どもたち大好きなプール、ということになる。

慣れてくるといっても、やはり体調不安定な子どもたち。
スタッフの皆さんも万全の体制で取り組むちょっとしたイベント事だ。
うちは、気管切開があるため、大人が必ず二人はつかねばならないので、
夫もいないし、ばあちゃんはプール大の苦手なので、欠席で届けていた。

でも、先日のゴムプール遊びの楽しそうな様子を見ると、なんとか入れてやることはできまいか?
と思い、大人もう一人を、ヘルパーさんに頼めれば、などと、動くことにした。

ただ、すでに、欠席表明しているので、園の態勢も確認せねばならん。
園でも検討、ヘルパーさんの事業所でも検討、となり、
受診時に主治医に確認してくるように、と、全て同時進行で進むことになった。

受診時、耳鼻科医と主治医に尋ねたが、
耳鼻科的には、気管切開孔からの水で溺れるリスクを考えると、
積極的に勧めることはどうか、と思う。とのことだった。
また、主治医も、ほとんど同意見で、
入らせたい、という保護者の強い希望があり、万全の万全の態勢で臨んでくれればやぶさかではないが、
と、いうこと。

受診待ち中にあった先輩母さんに聞いても、通園時期は全くプールにすら入らなかった、
とのことだった。

確かに、リスクはある。
しかも、力は大暴れするから、さらに大。
医師の意見はもっともである。そこまでして入る強い理由は、ないのだ。
今回は見送ることにした。

大人、もうひとり調達どうすりゃいいか、と先走って考えていた私だが、
そうそう、まずは力、というところの調整が必要だった。

園にも、ヘルパーさん事業所にも、その旨話して、当初の通り欠席に。
せっかく検討してもらったのに、お手数をかけてしまった。

暑い中、プール活動は子どもの夏の楽しみの最たるものといってもいいだろう。
今までおねえ達、プール入るには、
熱がないか、具合が悪くないか、トビヒやシラミやギョウチュウは出てないか、
位の検討のみで、あとは存分に泳いでおいで!と送りだすことができたが、
力はまず、生命の確保のところで、
いろんなところに対して調整をし、依頼をして、
いろいろ予見をして、万が一を考えながら、検討段階に入る、
という、いろいろがたくさんだ、ということを、再認識した。

プールに限らず、ちょっとした、イレギュラーなことを、
させてあげたい側と、リスクを考えて待ったをかけねばならない側と、
そのうまい塩梅を探らねばならない当人。

これからも、たくさん調整せねばいかんのやろうなあと、しみじみ思ったのであった。

頑張っていきましょう。
キミと私たちは、たくさんの人に助けてもらっている!