みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

救急学習会に参加する

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久しぶりに週明けの通園ができた。
それでも、朝延々と寝ていたところを起こしてうんちとしっこを、と、排泄待ちで遅刻。

今日は是非行きたかった。というのも、久々ということもだが、
午前の保育時間に、母子分離の「救急法学習会」が計画されていたからだ。
救急隊の方々が講師となって、救急法一般、心臓マッサージ、人工呼吸、AEDの使い方などを指導、
その後、実際に人形を使っての実習もあった。

つい数ヶ月前に救急車を呼んだばかりである。力にとっては、万が一、という確率以上のことなのだ。
何事も体験し、習得しておくことで、いざとなった時のパニック度が少しでも軽減される。
事前にできることを考えられる範囲でやっておくことが、リスクをいくつかでも減らす道である。


今日の学習会は、通園している保護者はほとんどすべて参加していた。
健常な子どもたちと比べて格段に高いリスクがある子どもの保護者の皆さんは、
何事にも勉強熱心の方が多いが、
この救急法学習会については、特に皆さん真剣なまなざしだ。まずはそれが印象的であった。

学習会の内容の中で、大きな柱が心臓蘇生法である。
配布されたレジュメに沿って説明があったが、頭で大まかには分かっていても、
いろんなポイントを外していることに気づくことができてよかった。
心臓の位置が左寄りでなく真中にあることは、そんな大きな一つであった。

AEDも、実際に触らせてもらった。
今では当市にも900か所以上に設置してあるらしいが、
実際使うとなると、いくら音声誘導があるといっても、
一度経験しているのといないのではまるで違うはずだ。

最後に、これからの季節に多くなる、気道異物除去、いわゆる餅つめなどへの対処法だった。
最近、小学生の給食のパンが原因の事故があったばかりである。
子どもや老人などは特に、障害の有無に関係なく、身近で怖いことだ。

学習会最初に、119番の電話のかけかた、を習ったが、サンプルとして、
実際消防にかかってきた、ある救急出動要請の応対の録音を聞かせてもらった。
お母さんらしき人が電話をかけているのだが、
その、声も裏返り、途中から泣きながらの、ほとんどらちがあかない状態の電話応対は、
聞いていて、自分にも振り返り、涙が出そうなほどであった。
普通の神経の人は、こうなっても全然おかしくないことだ。

こうまではならなくとも、住所や電話番号など、とっさにとんでもないことを言ってしまう人が、
結構多いという。また、119番でなく110番警察や、117番時報などにかけてしまうことも多いとのこと。
救急車をタクシー代りに使う、ふとどきな人たちは別として、
本当に救急要請する場合は、冷静ではいられない状態であることは間違いないので、
電話のある場所に、119番、自宅住所、電話番号、などを書いた紙を張っておくとよいとのことだった。


1時間強の学習会だったが、有意義だった。参加できてよかった。

保育室に戻ってみると、力は排泄待ちをして通園してきたにもかかわらず、
うんちを小出しに二度もしたらしく、ズボンが変わっていた。
でも、機嫌は良い。
そのまま食事になり、大人が弁当食べに部屋を外して、戻ってくると、眠っていた。
おつかれですか~。

帰宅後もご機嫌。今日はなかなかいい感じだ。
夕食時、救急法についてを、おねえ達に話したが、
例えば、万が一、大人がいない状態で、力が息をしなくなったとき、
日常で、私が急にぶっ倒れた時、
などの対処法を、かいつまんで話して聞かせていると、だんだん顔が蒼白になってきた。

大丈夫大丈夫、大人がいない、というそんなシチュエーション自体は、万が一だろうから。
でも、きっと、うちのおねえ達、周りの子どもたちよりも、
こんな「万が一」の救急状態に、免疫があるはずだ。
私が早速電話機の前に救急用手順の紙を書いて貼っていると、すぐにやってきて2人真剣反復していた。
対処できそうな可能性を感じさせてくれた。さすが女の子、頼りになりそうである。

今のところ大人1人の当家。頼りにしてまっせ、おねえちゃんたち!


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【救命処置の流れと手順】

1.反応を確認する:頭や顔をたたいたりせず、まずは肩をたたき小さな声から呼びかけする
(反応がない)
2.助けを呼び119番とAEDの手配:周りに人がいない場合はまずは心臓蘇生を2分間実施して救急車
3.気道確保(顎を上げる)し口に耳を近づけ胸を視認して呼吸確認
(呼吸をしていない)
4.鼻をつまんで気道確保した状態で人工呼吸を2回:口全面をつけてはあーはあー>省略可
5.胸骨圧迫30回+人工呼吸2回の組合せをずーっと続ける:100回/分、強く絶え間なく
 ※圧迫は乳首を結んだ線の真ん中を、子どもは胸板厚の1/3、大人は4-6cm沈み込むまでしっかりと 
6.AED装着と実施:電源を入れ音声案内に従い落ち着いて
7.その後ただちに(30秒以上の空白は不可)胸骨圧迫と人工呼吸を再開