みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

信じる者は救われる、情けは人の為ならず~北京五輪ソフトボールの金メダル

この二日間は自分にとって、ソフトとボルトの日だった。

ソフトは水曜午前中のアメリカ戦をよく戦ったが惜敗。
すぐに夕方、すごい試合でオーストラリアに辛勝して翌日の決勝へ進んだ。
ソフトに関しては、この一日目の時点で、泣きは入るし、応援疲れでぐったりしていたところ、
夜遅くの男子200m。100m王者ボルトの驚愕と言っていいほどの世界新をライブにて目撃。
まがいなりしも元陸上部である。あまりの衝撃にそれから1時間ほど、興奮で目はらんらんとしていた。

翌日のソフトは夜決勝。
午後からあと何時間、などと緊張して待ち、
食事時間にテレビ厳禁のうちルールはどこ吹く風、母自らテレビのスイッチを入れ、
さあソフト応援するよー、気合い入れるよー、などと、子どもたちにも応援を強制?する始末。

結果、日本は三度目の正直でアメリカを下し、悲願の金メダル。
こんな一行文や、録画ハイライトなどでは、きっと、100%伝わらないんだろう。
それほど、ハイライト場面以外の濃さ、興奮度といったら!久しぶりに手足が冷たくなった。
解説の宇津木氏の、優勝決定の瞬間、
声が裏返るほどわれを忘れて叫んだ「やったああ!!」に凝縮される、優勝だった。

エース上野の二日間3連戦、400球以上を超える力投がなければ優勝はなかったと誰が見てもわかる。
これを、鉄人、剛腕、などと、表現されるのだが、
私は決勝トーナメントの試合全部を通じて、上野投手の、落ち着いた目の色がとても印象的だった。

既に多く報道されているように、
アンパンマンが大好きだという上野投手は、
その理由として、
アンパンマンは自分のためでなく人のために頑張っている。自分もそうなりたいから。」

まさに、チームメイトや、支え、応援してくれいてるたくさんの人のために頑張っている無心。
それが感じられる静かで強い目を、上野投手は一瞬も揺らがずにずっとしていた。

最初のアメリカ戦も、三位決定戦のオーストラリア戦も、
上野の投げに、他のチームメイトが応えられず、本当に苦しかったはずなのは明白だが、
それを責めるでもなく、淡々と丁寧に、自分でできることをやり、試合後は、
「みんなが助けてくれた。ありがたかった。感謝したい。」
などとコメントしている姿を見ると、こりゃー、絶対勝たしてやりたい!
と思った日本国民が、きっと数十万人?はいたに違いない。

決勝は、そんなひたむきなエースにチームが応え、噛み合い、ここぞという局面を全てものにできた。
チームのいい感じがこちらにも伝わってきて、それが感動的であった。

試合後の宇津木氏の、
「チームは人間関係、悩んでましたけど、最後に日本のソフトができてよかったです。」
とのコメントに、いろいろを感じた。人間関係が、チーム競技の勝敗を左右する最も要であるが、
これを結んだのが、上野投手の揺らがない心意気だったのだろう。

試合終了で、涙してしまった。いや、5回の攻防くらいから、すでにうるうるしていた。
涙しながら、こんな二つの言葉が思い浮かんでいた。

「信じる者は救われる」
「情けは人の為ならず」

自己チュー大いにオッケーなこのごろの日本に、
自分以外のために頑張れることの強さを示してくれたソフトの勝利。
日の丸、捨てたもんじゃないぞ!

人に感謝し、謙虚に、自分にできることを一生懸命やる。
地道であるが、最も近道なのかもしれない。

よおおし、今日から頑張るぞううう!