週末の名古屋マラソンは、
北京五輪女子代表の最後の一席を争う大会であり、
さらに、
高橋尚子が走ることで注目度大きい大会であった。
私も、号砲1時間前から、久々に、今日はかぶりつきで見るわよ!
と、気合が入っていた。
結果は報道の通り、高橋失速は残念だったが、
マラソン自体は駆け引き満載で、おもしろかった。
勝者の初マラソン若手、中村。
ビギナーズラック的要素は多分にあるだろうが、
なかなかいい走りでよかった。強かった。
高橋が沈み、高橋と年齢が一回り以上若い新鋭が制したこの大会。
世代交代イメージを打ち出せて、
代表選びはすんなりで、
陸連のお偉方にとっては、さぞ安堵でき、意味のあった大会だったことであろう。
さて、久々にかぶりつきで見たマラソン中継(もともとマラソンみるの大好きだ)。
解説が往年の五輪選手、瀬古と有森の二人。
両者とも五輪出場に際してのグレー選考にて、
散々もめたあとの本番では、瀬古は惨敗、有森はメダル連続二回と、
結果の明暗を分けた二人である。
この組み合わせ、なんだかなあ、と思いつつ見ていたが、
有森解説の的確さ、明確さに対して、
瀬古解説の大雑把さ、語彙の少なさに、
あーこれが、明暗を分けた要因なのかも、と感じておもしろかった。
スペシャルゲスト解説の古田敦也の人選も、
何となく微妙にいろいろと勘繰ってしまうものであったと思う。
また、気になったのは小出監督だ。
教え子が走っているからと言っても、
インタビュアーも視聴者も、聞きたいのは高橋に関して、その一点だ。
そのメディア的要求をちゃんと解って、
まずは教え子のことを話し、
インタビュアーに先んじて、
「あー、それとQちゃんねえ、」
などと話し始めるあたりは、
いつもどおりの小出節だなあ、と思った。
さらに、何度も、レースの局面で小出監督は解説を求められ、
いちいち的を得たことを話しているこの画を見ればきっと、
「あー、高橋、今でも小出の元にいたならば、、、」
なんて、思う人がたくさんいてもおかしくないな、と思った。
こんないろいろの中で、とても腹が立ったのは、
レース中のバイクレポートだ。
二人乗りにて、
第一集団と第二集団を「こんなに離れています!」なんて言いながら行き来したり、
苦悶の高橋の横にぴたりとついて、「さあ、何があったんでしょうか?」
なんか言ったりして。
視聴者であり、全く他人事なのであるが、
人生かけて42キロ以上も全力で走ってんのよ、彼女らは!
横でごちゃごちゃうざい!
と、イライラさせられた。
「昨年も好評でしたバイクレポート、今年もやります。」
とのことで確かに宮原(美佐子:ソウル五輪マラソン代表)解説の内容はよかったが、
やっぱり、
選手主体の報道をして欲しいと思う。
命かけてやってる選手の力を存分に発揮できる環境を、
整備してあげたいよなあ。
選手の方は慣れっこなのか、諦めているのか、
スポンサーやテレビ局の意向に反するようなことは不可だから、
声も上げられないのかもしれないが、
昨今の様々なスポーツ中継は、
解説者や、インタビュー対象者の人選、絶叫アナも含めて、やっぱり、
商業先行型で行き過ぎな気がしてならない。
もっとシンプルにみたいのにな。
といいつつ、レース以外のオプションにも散々目が行ってしまう私である。