みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

Rの「うすい」水色ランドセル

就学準備も二人目となると、余裕かましている。
何が要るか大体把握しているので、
手抜き塩梅つかめているということ。

でも、ランドセルだけは早々に購入した。
何でかって?
「早割り」だったから。
これも経験則だ。


上のお姉ちゃんNは目が覚めるほど鮮やかな水色のランドセルを選んだ。
購入直後から、箱から出して、からってはしまい、
また出しては、何か入れたり、ベルトを調節したりで、
私から、たいがいにしなさい!と言われるまで、
一週間ほどいいおもちゃ状態であった。

水色は、Nのお気に入りの色。
購入検討期間に、夫、
えー、水色とか、いじめられんかいな、
とか言ってやや難色を示していたが、
Nがそこまで言うなら、
と、ある、動物マークの有名かばん屋さんにNと水色ランドセルを見に。
そこで、若目の男性店員から、
「いやー、でも女の子は赤がいいと思いますよー。何かと。」
なんぞと言われ、
「お前が言うなよ、勝手に決め付けんな!」
て腹を立てて手ぶらにて帰ってきた。
(今まであんたも彼側におったやろ。)

で、めでたくNは水色をゲットしたというわけだ。

でも、いざ入学してみると、
やっぱり周りは赤が大多数、その中にピンクが少しいるか、そして、
同じような水色ランドセルは、学年に一人もいない現状を目のあたりにして、
げげ、と我に返った?N。
「あーあ、私、やっぱ赤がよかったなー。」
とか、小声でぶつくさ言っているのを何度か聞いたことがある。
そんな声を聞いても、
「いーなー、お母さんも色選びたかったー。お母さんの時は赤だけやったもんなあ。つまらん。」
なんて、独り言のように返す程度でシカトして、今に至る。

慣れてしまえば、なんてことない。


で、Rの話に戻る。
Rは、もともと、ピンクか赤にしよう、と言っていた。
ぶりぶり女の子系のものが大好きなRだ。
案の定、と言う感じであった。

Rは、こんなことに対してはあまり口数は多くない。
でも、頭の中でものすごくシミュレーションしているのだ。

決めた?
と聞いても、うーん、多分ねえ、ピンクかなあ。
と言ったり、やっぱ、赤にする、と言い出したり。

で、とうとう、大人の都合で、早々と11月後半にスーパーへ。
じじばばからのプレゼントだったので、
おばあちゃんとお姉ちゃんたちで買いに行くことになっていたが、
Rはお母さんもおばあちゃんも来て、、、、と、言い出して引かず、
しょうがなく力も連れて、
人が最も少ないであろう、朝オープン直後に、えんやこら、行った。

ずらりと色とりどりに並んだランドセル。見るだけで楽しい。
うちは、機能よりも色重視だったので、
最も色バリエーション多いこのスーパーにてNも購入した。

「で、どうする?いろいろからってみていいよ。」
と言う母に、R、間髪おかずに

「あれ!」
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指差したのは、一番上に陳列してあった、
うすい水色のランドセルだった。

「ええー?ピンクて言いよらんかったっけ?」
「うん、でも、これがいい。これに決めたと。」
「あ、でもさあ、いろいろからってみ、それで決めていいけんさ。
ちーくんもねとーし、ゆっくり大丈夫。」

ちょっと考える風で、じゃあ、とキレイ色のピンクをからった。
その次に赤を。

「いいよいいよ。ピンクもいいよ。赤もいいね。いろいろな赤があるねー。
黄色はピカピカやね。オレンジは○×ちゃんが、買うっていいよったね。
この前、黒をからったお姉ちゃんもおったよね、かっこいいよねー。茶色はチョコみたいやね。」
などと、母、選択範囲を広げようとしていたが、R全く動じず。

「R、この水色がいい。」

決定。

その色は在庫が無く、陳列商品しかなかった。
二週間後に来ますが待ちますか?
と聞かれたが、たっての希望で、現品を持ち帰った。

一緒に来ていたNも、そのうすい水色がいたく気に入ったらしく、
ものすごくやきもちを焼いていた。
流されがちなNと、頑固なR。顕著な図なり。


このうす水色はおそらく、
最近ちょっと気に入っているサンリオキャラ、シナモロールのメインカラーから、
イメージ引っ張られているのだと推測した。
でも、
やっぱ、赤やピンクは違う、と思ったのではないかと感じた。

母、実は、できれば、赤でない色にすればいいのに、
と、密かに思ってはいたのだ。
ここまではっきりと選択するとはなあ。まさか、私の心を読んでのこと?

Nに引き続き、二人目のランドセル選び、
やっぱりおもしろいトピックスとなった。
もう三ヶ月も前の話になる。

あと一月半で、Rもどっきどきどん一年生だ。
お姉ちゃんの鮮やか水色と、このRのうす水色。
水色グラデーションで並んで登下校する後姿は、何て素敵!
と、
母はノータリンにご満悦なのだが、
今まで決断にあまりブレることがなかったR。
Nのように、小学校の洗礼を浴びるのかどうなのか?
母的にはちょっと、「どっきどきどん」なのである。

いつも「自分」を真ん中に!