みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

もうすぐ年賀状の季節です~リサイクルインクカートリッジの特許紛争

11月から年賀状が発売された。
もうそんな季節だ。

年賀状や暑中見舞いなどの挨拶状を自宅で作成するのが当たり前になったこのごろ。
うちでは、一時期、約300枚の年賀状を毎年出していたので、
年末は自宅のプリンタが延々と稼動していた。

はがき代はしょうがないとしても、
インク代が本当にばかにならないのだ。

もったいない派の私なので、
インクがなくなった空カートリッジはゴミとして捨てたことはないし、
リサイクルカートリッジが売り出された頃から、
ずっと使っている口だ。

色がイマイチ、との指摘があるが、
自宅のそこそこの性能のプリンタだし、
気になる程度ではない。
それよりも、
リサイクルしてリーズナブル、という二点の方が断然魅力的だ。
リサイクルカートリッジは、インク市場10%のシェアに伸びてきているとのこと。

さて、そのリサイクルインクカートリッジの特許侵害訴訟、
このほど、メーカー側の勝訴が確定した。

最高裁まで進んだ当訴訟。
一審では原告(メーカー)側の請求棄却、
二審では逆に原告勝訴、
最高裁で二審判決に対するリサイクル会社の上告棄却となった経緯は、
勝敗だけでなく、判断基準も結論も二転三転して、
とても興味深いものであった。


メーカーは、プリンタに関して、
本体自体をとても安く販売し、インクカートリッジで益を得る、
というビジネスモデルを採っていることをご存知だろうか?
携帯電話本体一円のモデルと同様。

つまり、リサイクルインクカートリッジが容認されることは、
メーカーとしては死活問題だということだ。
この判決に、メーカー側は、ほっと胸をなでおろしたことだろう。

特許や商標などの知財裁判は、あまり目立つものではないが、
数年前の青色LEDの度肝を抜かれるすごい金額が出た判決については、
印象が残っている人が多いかもしれない。
最近のご当地の身近ネタでは、
お菓子の「ひよこ」の商標権侵害のニュースを思い出す人もいるだろう。

知財裁判が目立たないのは、
一般人の毎日の生活にとって直接関係ない、と思われがちだからだ。

だから、例えば、
海外等でのばったもん商品をつかまされた人にとっては、
商標権侵害などについて、少しは興味を持つのではないだろうか。

この、インクカートリッジの判決については、
多くの人の懐に、ちょっとした打撃を与えるかもしれない、
最近では最も「身近」な知財判決だったのではないか、と思う。


同時期に他メーカーが起こした特許権侵害訴訟については、
メーカー側の敗訴が確定しており、
リサイクルはダメ、と判断された、ということではないが、
リサイクル品が家電屋さんから全部撤廃されたら困るよなあ、と、
このニュースを知って思った、ビンボー症の私であった。