みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

クリアしました

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今日入院から一週間で脱出してきた。

本当は、今朝まで点滴もまだ取れていなかったので、
病棟担当医としては、
点滴外して、投薬して様子をみてから退院させたかったと思われるが、
こちらが、是非、と今日にしてもらった。

夫が単身赴任してから初めての入院。
私とばあさんで、余計なことをするとお姉ちゃんたちにかえってよくないと、
この一週間、私からうちへは電話しなかったし、
帰宅ももちろんできなかった。
つまり、お姉ちゃんたちと一週間、全く顔をあわせていない。
初めてのことだ。

入院の間中、うちにall泊まりでばあさんに面倒をみてもらった。
表面上は全く問題は無かったと言っていたが、
ばあさんも、お姉ちゃん達も、
おそらく、一週間、ギリギリでやってるんだろうな、と感じたし、
明日が下のお姉ちゃんの遠足ということもあり。

私の方も、久々の病院滞在。
最初こそいいが、
連続のレンジ飯や、ぎしぎしベッド、便所と一緒のシャワー室は、
長く居たいと思わせるものでは決してない。
今回は、入院当日と翌日がかなり力がきつそうだったので、
私も、座る暇が全くないといっていいほどだったが、
気力でテンション上げていた。
力が回復するにしたがって、後半疲労でどっときた。
年かいな。

今日は、退院もろもろが済んで、
外科医に胃ろうをみてもらい、
風呂に入らせてもらって、
早くからスタンバってくれていたじいさんに送ってもらって、
家に帰り着いたのは15時。

すぐに在宅酸素の機械などを業者さんが持ってきてくれて説明と設置。
注入と吸入と、山のような洗濯と、部屋の片付け。

疲労と頭痛で吐きそうだったが、大方やってしまって、
じいさんに力を頼んで、
30分ほど、久々の自分の寝床に倒れこみ横になったら少し回復。

下のお姉ちゃんは仕事帰りのばあさんに迎えに行ってもらい、
上のお姉ちゃんと、だいたい同じ時間に帰ってきた。

夕食、何か出前でもとってみんなで食べよう、と提案したが、
いらん、家で食うけん、と、さっさと帰ってしまった。
相変わらずあっさりしている二人である。
二人とも、今回もフットワーク軽くよく動いてくれたので、
きっと、疲れたに違いない。
ご苦労さんですーー。

じじばばがいなくなった後は、いつもの怒涛のルーティン。

力は、ルーティンをすぐに理解して、
入院したのが嘘のように、
ご機嫌で、ゴロゴロして、
吸引もほとんどしなくてよい、良い子状態だった。

お姉ちゃん達も、この一週間、
かなり安定して過ごせたことを伺えるような雰囲気。
たくさんお話してくれて、楽しかった。
やっぱり、団欒の中の食事は格別。


いつもの吸引注入に、吸入6回が加わってしまったので、
大変度はUPだが、
もう、どんな時にどんなことをやるかは頭に入っている。

大変でも、やっぱ、家がいいわ。


あ、そうそう、この一週間の入院期間中、
力が寝ている間を縫って読書をした。
(読むのが異常に早い私)
全て、病院の共用スペースの貸出自由の本棚から、
目に付いた本をピックアップして読んだのだが、
かなり、よかった。ほとんどアタリだった。
以下は、このたび読破した本と一言感想。

・同級生/東野圭吾
直木賞受賞前、ブレイク前の東野作品。
白夜行などのドラマ化で、
東野圭吾、読みたいなーと思いつつ、
ミステリなんて、読む暇あるかい、と、
縁がなかった。
乱歩賞受賞のデビュー作以降、学園モノ第二弾。
帯には、著者のターニングポイントとなった本、
と書いてあった。
短めで、一気に読めた。
なるほどねえ、こりゃ人気でるやろねえ、と感じた。

・残花亭日暦/田辺聖子
あ、田辺聖子だ、と手にとって読んだこれは、
偶然にも、前クールで最もはまったNHK朝ドラ「芋たこなんきん
の原作本であった。
田辺聖子は、
見かけあんなにおだやかそうなのに、
文章はさくさくと男っぽく、それでいて女性らしくもあり。
好みである。
ドラマでも涙したが、
この本でも、何ら、ドラマチックでない、
さらっとした一日一日の日記の形ながら、
泣かされた。

(・不毛地帯山崎豊子
3ページ読んであまりの重さに、本を閉じる。
またいつの機会かに。

・分身/東野圭吾
東野ミステリ、おもしろかったので、
もう一冊あったこの本を手に取った。
元は「小説すばる」にて、
ドッペルゲンガー症候群」というタイトルで連載されたものとのこと。
種明かしは予想できるものでも、
どんどん読んでしまう。考えさせられる。内容は鳥肌モノだ。
一冊目に読んだ同級生の3倍ほどの厚さだったが、
今回、最もはまりこんで読んでしまった。
病院の棚にまさに、という内容。

風林火山井上靖
現在放映中のNHK大河ドラマの原作本。
何度か短時間だけ大河はチェックしたが、
見たいと思わずに今に至る。
でも、この井上靖の原作は、おもしろかった。
ここで終わるのかあ、って終わり方がいい。
これ(原作)があれ(ドラマ)になるんだ。。。
問題は演出か?役者か?

・狼たちの伝説/五木寛之
20~30年前の連載を4編まとめて文庫にしたもの。
昔の風景ながら、古くなく、読まされた。
特に最初の「ふらいぱんの唄」が。

・ビューティフル・ネーム/鷺沢萌
夭折した女流作家の未完の遺稿を含めた短編集。
名前をキーに、短編2編+1で。
最初の「眼鏡越しの空」は、ドリカムの同名曲がキモ。
あまりにライトな出だしに、
なんじゃこりゃあ、
と思いながらだったが、
内容はライトではない。
ぐいぐい引き込まれる本だった。
天才は早死にする、は本当か。