今日から上のお姉ちゃんの小学校は給食が始まる。
本格的な学校生活の幕開けと言っていいだろう。
朝、集団登校。集合場所にぎりぎりに間にあったお姉ちゃん。
列に並んでいたが、
ふいに、はっとした顔をしたと思ったら、私のところへ走ってきて、
「おかあさあん、名札忘れたあああ。」と大泣き。
もう出発時間だったので、引率のお母さんに一言言って、
ダッシュで家に取りに行った。
急いで集合場所へ戻ったが、みんな既に出発した後。
お姉ちゃんは大泣きで、母もどうしようかと思った。
小走りで追いかけるも、集団ははるかかなたに行ってしまった後。
ここで、母、どうするべきか。
一緒に登校してあげるか、一人で行かせるか。
下のお姉ちゃんがいるし、一緒に行けばかなり時間もかかるぞ。
第一、自分が忘れたのに、母と一緒に行けたら、
忘れ物したのを反省材料にできんかもしれんやんか。
母は思い立って、
同じマンションから登校していた上級生のお兄ちゃん達2人連れに声をかけた。
「ねえ、お兄ちゃん達、この子一年生やけん、連れて行ってあげて!よろしく!」
お兄ちゃん達、うん、とうなずいたが、一緒に連れて行こうという素振りないまま歩き出した。
お姉ちゃんの背中を押して、
「さあ、お兄ちゃん達と一緒に行きなさい!」
お姉ちゃんは半泣き状態で、つかず離れずで歩き出した。
送り出して、お姉ちゃんが小さくなるまで見送った。
ずっと遠くまで行って、なぜか、ふいとお姉ちゃん、こちらを振り返った。
母は大きくばいばい、と手を振った。
すると、ばいばい、と手を振り返して、前を見て歩いていった。
それから、下のお姉ちゃんと保育園にむかった。
下のお姉ちゃんが言った、
「お姉ちゃん、一人で大丈夫かなあ?」
「大丈夫。お姉ちゃんは、もう一人で、大丈夫。」
母、自分に言い聞かせるように言った。
心配だった。
お願いしたお兄ちゃん達も心もとなかったし、
泣いてたしなあ。
そのままはぐれて、学校にたどり着かなかったらどうしよう。
あの時、一緒についていってやればよかった、って思うことになったら。。。
まさか電話がかかってくるようなことがあるはずない、
と思いながら、携帯をずっと握り締めていた。
8時半になって、学校に電話したい衝動があったが抑えた。
夕方、母、病院から17時過ぎに帰宅したので、
お姉ちゃんが帰ってくるのを自宅で待っていた。
なかなか帰ってこない。5分、10分過ぎてゆく。
・・・まさか、最初から行ってない、とかないやろね。
すると、玄関がガチャガチャ。
-帰ってきた!
「あ、お母さん、おったとー?ただいま。」
「おったよ。おかえり。今日学校どうやった?」
「あのね、今日ね、シールつけてもらった!」
「あら、それはよかったねー。」
母は、何でもない振りをして受け答えした。
ホントは、今日一日、めちゃ緊張したんだぞ。
♪どっきどきどん!いちねんせい~♪って親の方やな。