みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

これからどうするか

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入院してもう2週間だ。顔色も具合もとてもよくなった。

モニタリングなどの結果を踏まえて、
主治医と外科医からお話があることになっていた。
夫も仕事を早く切り上げて、病室にやってきた。
夜7時前になって、主治医たちがやってきたので、
カンファレンスルームで夫と2人で話を聞いた。

力の逆流症の程度は、「ひどい方」だそうだ。
普通の人は、食道が酸性になる割合は一日のうち4%。
力はそれが33%、つまり一日のうち1/3が胸焼け状態と言うことらしい。
モニタリング時に出ている数値が逐一見ていたので、
大体わかっていたが、結果を聞くとやはりショック。

力みたいに、飲むのが上手でない逆流症の治療としては、
胃と食道のくびれを締めるために、
胃の壁を引っ張ってきて、食道との境にぐるっと一巻きして縫いつける。
そして、胃に穴を開けて管を入れ、
そこから栄養を補給する、という方法が一般的とのこと。
ただ、手術をすることで出てくるいろんな弊害もある。
さらに、力は染色体異常なので内臓奇形の可能性もあり、
予想できない事態も起こりうるということだった。

夫はショックだったのだろう。
外科医の話の途中で畳み掛けるように質問攻めにしていた。
私が、最後まで話を聞いてから、とたしなめたほど。
夫はいつも、こうだ。

逆流症の話がひと段落して、主治医から呼吸のことについて話があった。

エアウエイを取り除いてから、1,2日はよかった。
でも今日の昼もそうだったが、
ぐっすり眠ると酸素飽和度をどんどん落としてしまう。
こんな状況を見ると、家で育てることを考えれば、
やはり、呼吸確保がまず第一ではないか、
もし逆流症の手術をするにしても、
全身麻酔の際、気管内挿管するため呼吸管理のリスクを否めない。
つまり、どのみち、気管切開を含めた何らかの手立てがまずは必要ではないか、
ということだった。

気管切開などについては、耳鼻科の専門になるので、
こちらでも検討します、ということで、今日のカンファレンスはひとまず終了した。

病室に帰ると、独りぼっちにされてた力が、
咳き込んだ弾みにちょっと吐いていた。

時間がおしていたので、
夫ともほとんど話さずに、お姉ちゃんたちを保育園に迎えに行くために病室を後にした。
車ではドリカムがガンガン鳴っていたが、何も聞こえなかった。
半ば呆然として運転していた。

力が生きて、大きくなっていく上では、呼吸確保も、栄養補給も不可欠。
そのために、手術はどうしても必要なのか?
胃ろうも、気管切開も、やってしまえば、
それぞれの機能は、元の全く同じ状態には戻らない。当然だ。

ここで親が決断するしかないんだ。厳しいようーーー。