みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

年賀状

鏡開きが近づくと年賀状の到着も落ち着く。
年賀状は、メールが当たり前になった現代でも生き残る貴重な日本文化。
年一の近況報告を送り、見ることができるのは正月の楽しみの一つ。

今年の年賀状には、力のことを知る人たちから、
「頑張ってください」
「前向きな強いお母さんで・・・」
という言葉がかなり多かった。
皆さん、とても気にしてくれていて、ありがたいと思った。

でも違うのよ。自分はそんなに強くないぞ。
これからどうなるのか、不安でしょうがない時が一日に何度もある。

力のことを知った友人からメールが来た。彼女はいわゆる自閉症の子どもを育てている。
「いったん死を考えた。」
と書いてあって彼女のイメージと合わずに、そこまで?と思った。
でも、そんな気持ちになることもなんとなく分からんでもなくなった。
一番上の子の初めての育児の時に感じた、
虐待していってしまう親の気持ちが身近になるのと似ている。
その時間を過ぎて後から考えればなんてことないのに。

そんな恐ろしいある一線を越えるには、
ものすごく高い塀がそびえ立っているのが普通だが、
それがどんどん低くならずに高いままなのは、
周りにいるみんなのおかげだ。
こんなみんながいない人は、どんなに苦しいだろうか。

みんないろいろと事情を持ちながら、平気な顔をして毎日を過ごしているのだろうと、
今年の年賀状を見て、初めて感じた。