みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

入選無事終了

中3の力、卒業後は今の学校の高等部に進学希望。

「入選」を経て、合格すれば入学できる。

入選とは。

「高等部入学選考考査」の略称だ。

 

日本全国一気に寒くなった翌日。

前日かなり降雪があったが、

ありがたいことに雪は残らず、

からっと晴れてお出かけ日和となった。

 

入退院を繰り返して回復したあと、

ここ数年、9時台に登校したことがなかった力だが、

この日ばかりは9時前までに受付せねばならない。

つまり、送迎し付き添う私が遅刻せずに行かねばならん。

車なので不測の事態も予想される。

雪はかなり悪条件だったが、

まずはクリアした。

 

力は寝たまま準備して、出る前にぼやっと目を開けた。

予定より少し遅く出てしまった上、

道中少し渋滞して焦ったが、

受付時間内に余裕で間に合った。あーよかった。

 

通っている学校内の入選のため、

いつも通り車から降りると、もう物々しい雰囲気だった。

 

3階建の校舎の高等部は3階。

3階全部入選のために閉鎖されており、

当事者以外の行き来不可。

エレベーターも専用になっていた。

 

控室に通され、クラスメイトは全員いたが、

そのほかの学校から数名こられており、

力は健康検査、発達検査、面接の順に予定されており、

ほかの方たち、

それぞれ別のスケジュールで動くことになっている。

 

力は予想に反して登校時にはほぼ覚醒しており、

きょろきょろして緊張感を漂わせていたが、

なんとなく覚悟を決めた顔。

最初の健康診断は保護者同伴で、校医と養護教諭と体調などについての話。

次の発達検査は保護者無しで、何が行われたか窺い知れず。

付き添ってくれた教官曰く、

2度ぴくっとして目を白黒させました、との報告。

戻ってきて少しほっとした模様。

 

最後の面接は、本人、事前に練習をしていたらしい。

その際もガチガチに緊張していた、

と聞いていたが、

本番、私も付き添ったが、

なるほど結構な緊張感だった。

感染症予防のため、

面接者との距離も開いていたし、

アクリル板もあったりで、

まるで就活面接のよう。

 

教頭先生がいくつかの設問を問いかけて、

もう1人の教官と共に反応を記録していく形式。

実際は私が答えるのだが、

その答えを再度教頭先生が繰り返し尋ねて、

それに力は反応する形。

力はそわそわしたり、表情も硬かったが、

返事はある程度していた。

 

終わって力も私もほっとした。

 

各々のスケジュールが終了すれば帰宅して良いと言われて、

力は一番最初に終わって控室を後にした。

帰路車内でぐったりしていたが、

帰宅後、お姉ちゃんが、

頑張ったね!えらかったね!

と声かけられると、ようやくホッとしたらしく笑顔が出た。

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寝たまま行ってそのまま帰ってくる姿をなかば想像していたが、

緊張事を受けてたち、帰ってきた息子、

頼もしいなと思った。

 

その日は発作起こすのではと心配したが、

終日安定、元気。やるな。本番強さを発揮してくれた。

この不思議な年度一番の大仕事、入選無事クリア。

お疲れさんです!

1ヶ月後の合格発表で桜咲きますよう。