中3の力、卒業後は今の学校の高等部に進学希望。
「入選」を経て、合格すれば入学できる。
入選とは。
「高等部入学選考考査」の略称だ。
日本全国一気に寒くなった翌日。
前日かなり降雪があったが、
ありがたいことに雪は残らず、
からっと晴れてお出かけ日和となった。
入退院を繰り返して回復したあと、
ここ数年、9時台に登校したことがなかった力だが、
この日ばかりは9時前までに受付せねばならない。
つまり、送迎し付き添う私が遅刻せずに行かねばならん。
車なので不測の事態も予想される。
雪はかなり悪条件だったが、
まずはクリアした。
力は寝たまま準備して、出る前にぼやっと目を開けた。
予定より少し遅く出てしまった上、
道中少し渋滞して焦ったが、
受付時間内に余裕で間に合った。あーよかった。
通っている学校内の入選のため、
いつも通り車から降りると、もう物々しい雰囲気だった。
3階建の校舎の高等部は3階。
3階全部入選のために閉鎖されており、
当事者以外の行き来不可。
エレベーターも専用になっていた。
控室に通され、クラスメイトは全員いたが、
そのほかの学校から数名こられており、
力は健康検査、発達検査、面接の順に予定されており、
ほかの方たち、
それぞれ別のスケジュールで動くことになっている。
力は予想に反して登校時にはほぼ覚醒しており、
きょろきょろして緊張感を漂わせていたが、
なんとなく覚悟を決めた顔。
最初の健康診断は保護者同伴で、校医と養護教諭と体調などについての話。
次の発達検査は保護者無しで、何が行われたか窺い知れず。
付き添ってくれた教官曰く、
2度ぴくっとして目を白黒させました、との報告。
戻ってきて少しほっとした模様。
最後の面接は、本人、事前に練習をしていたらしい。
その際もガチガチに緊張していた、
と聞いていたが、
本番、私も付き添ったが、
なるほど結構な緊張感だった。
感染症予防のため、
面接者との距離も開いていたし、
アクリル板もあったりで、
まるで就活面接のよう。
教頭先生がいくつかの設問を問いかけて、
もう1人の教官と共に反応を記録していく形式。
実際は私が答えるのだが、
その答えを再度教頭先生が繰り返し尋ねて、
それに力は反応する形。
力はそわそわしたり、表情も硬かったが、
返事はある程度していた。
終わって力も私もほっとした。
各々のスケジュールが終了すれば帰宅して良いと言われて、
力は一番最初に終わって控室を後にした。
帰路車内でぐったりしていたが、
帰宅後、お姉ちゃんが、
頑張ったね!えらかったね!
と声かけられると、ようやくホッとしたらしく笑顔が出た。
寝たまま行ってそのまま帰ってくる姿をなかば想像していたが、
緊張事を受けてたち、帰ってきた息子、
頼もしいなと思った。
その日は発作起こすのではと心配したが、
終日安定、元気。やるな。本番強さを発揮してくれた。
この不思議な年度一番の大仕事、入選無事クリア。
お疲れさんです!
1ヶ月後の合格発表で桜咲きますよう。