みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

ちょうど良い福祉車両を見つけたい!(中)~あちらを立てればこちらが立たぬ編

あちらを立てればこちらが立たぬ

 

1.ダイハツ/タントスローパー

バギーを乗せてみた

まずはバギーが乗るかどうか確かめに行った。

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専用ベルトにバギー前輪部を引っ掛けて電動けん引

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後部座席はあらかじめたたんでおく

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乗り込めた!

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後方から見たらこんな感じ

乗り込めることを確認。

後部座席(取り外し可能)は折りたたみ必須なので、

バギー乗車時は息子含めた3名乗りになる。

タントの特色、ピラー無しのスライドドアは便利そうだ。

 

対抗馬をチェック

スズキ/スペーシア

乗用軽車両でダイハツと比較対象のスズキ。

スペーシア車いす仕様車は、実車が無く見ずじまい。

外装色がもともと少なかったので後追いせず。

車いすスペースの室内高は余裕ありそう。

ホンダ/N-BOX

2019年度最も売れたN-BOX

その車いす仕様の特徴が後部座席の床収納。

すっきりして見た目も良い上、

車いす前後長がより長く確保できる。

ただし床収納分だけ室内高が低い。開口高も低め。

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床収納は高得点も室内高低くなるのはデメリット

バギーを乗り入れてみた。乗降時も室内でも高さが気になる。

もう少し余裕が欲しい。

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バギー乗り入れはできたが高さがギリギリ

ターンシートはスズキ、ホンダともにオプションも無し。

タントスローパーが希望に合いそうだ。

 

力と一緒に乗ってみる

タントスローパーのターンシート付に試乗。

助手席ターンシートは角度30度のちょっと回転。

カーシート取り付け可能も、

車いす乗車時はたたんだ後部座席の位置次第でターン不可。

使い勝手が微妙だ。

バギーの息子の乗車状態は悪くないが、

近場を運転してみると、

力とバギーと大人2人、とても重たい。

アクセル踏んでもレスポンス弱め。

慣れないうちはストレスがたまるかもという印象。

 

馬力が要るならターボ?

馬力不足ならターボ付きは?と乗ってみた。

少し違うが大きくは違わない。

デザインが異なり、馬力より好みで選択する程度。

 

安全性を言われたら

現愛車ディーラーの営業さんと懇意だったので、

買取の相談も含め、タント試乗後に話しをした。

息子さんを乗せる車は、

万が一を考えると普通車が良いのでは、

と力説された。(営業さんは息子のこと既知)

普通車しか売らない営業さんの話だし、

普通車が軽車両より安全というわけではないのだろうが、

この話を聞いた後に、万が一があればきっと後悔する。

送迎する学校までの距離は結構あるし、

高速道路もよく使う。

馬力やターンシートは微妙でもとても気に入ったし、

安全面も強化されている。

決める寸前だったが、今回は普通車に、と方針転換。

実は乗車定員も気になっていた。

家族全員がいつでも乗れる車を選ぼう。

 

2.トヨタ/シエンタAタイプⅠ~Ⅲ

再度トヨタ

トップを突っ走っていたタントが一転消滅。

車いす仕様で、

普通車で、

大きくなくて、

外装色がピンとくる車。

この時点で回転(ターン)シートは優先順位が下がった。

トヨタシエンタが最初に条件クリアした車だ。捨てがたい。

夫のトヨタ嫌いが変わるとは思えないが、

1人でバギーとカーシートを持って再度見に行った。

トヨタ車いす仕様車は、

サスペンション調節機能があり、

乗降時のボタン操作で後輪側の車高が下がり、

傾斜が緩やかでスロープは短めでも安全だ。

1.5列目に乗り込めるAタイプⅡにバギーを乗せてみた。

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乗り込みは問題なしも、

 

1.5列目まで乗り込むと室内高がかなり低い。

バギーは倒し気味で乗車。

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バギーは倒し気味に

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天井ギリギリまでバギーを立てると横から見てこんな感じ

最も気になったのが座席とバギーの座面高の差だ。

手が届く位置に乗れるが、見上げるほどの位置に座っている状態。

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運転者の頭の高さに息子の足があるような状態

 

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真横に座っても遠い気がする

そこで、タイプが違う車をみてみた。

後列一部を折りたたんで乗り込むⅢには、

助手席にチルトターン機能も付いている。

しかし同じ車なので、バギーと座席の座面差は変わらず。

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チルトターンシートは便利そう

助手席のチルトターンシートは前出タントのシートよりも高機能。

回転しながら車外に張り出し、同時に座面が前下がりに動く。

乗降しやすいし移乗も楽。カーシート取り付けもOK。

希望に沿うのはⅡよりⅢかもしれない。

ついでにシエンタには車いす仕様車ではないが、

荷室にバギーを積むリフト機能付きの車もあったので見てみた。

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荷室リフトは便利に使えそう

耐荷重30kgでバギーも積載可能。

荷室にバギーをたたんで積んで、降ろして開いて、は、

実は息子の移乗よりずっとしんどい作業だ。

助手席回転シートや荷室へのリフト付きの車は、

とても使い勝手が良い印象を受けた。

 

大きめサイズを見てみようか

どちらにせよ候補になりそうにないシエンタ

悶々としていた時、前を走っていたのが日産セレナ。

充実の福祉車両パンフレットの中のセレナは良さげだが、

サイズで選外にしたのだった。

一応見てみるかとその足で店に。

実車を見るとやっぱり大きい。

日産ならキューブのサイズ希望だったが、翌月に販売終了とのこと。

セレナは意外とコンパクトですよ、

車いす仕様車はすぐにでも取り寄せますよ、

と営業さんが言うので、試乗することにした。

 

3.日産/セレナチェアキャブスロープタイプ

バギーを乗せてみた

試乗車にまずはバギーを乗せてみた。

トヨタ車と同様、サスペンション調節機能がある。

もともとの車高が高いので、

車いすで乗り込んでも室内高には余裕あり。

運転席近くまで乗り込めて乗車可能。

ウォークスルー。快適だ。

運転してみた。確かに思ったほど大きくは感じない。

ただ、妙なふわふわ感が気になった。

 

息子を乗せてみた

セレナには乗り気になった夫。

サイズ以外は条件クリアだ。

車内に余裕があり、

家族や息子の状況変化にも対応できそう。

きっと長く乗れるだろう。

前向きに検討することになった。

その週末に息子同行で試乗してみた。

バギーの息子を乗せて今度は夫が運転。

私は息子の横に乗ってみた。

あらためて観察すると室内は広々。

乗せやすいし、息子のスペースも余裕たっぷり。

良いねえ。

ふわふわを除けば。

 

カネと色と、ふわふわと

車の買い替えに当たって、

予算は当然、青天井ではない。

サイズオーバーは予算オーバーに直結。

ざっと50万超。決して小さな額ではない。

でも、超過に見合う納得感があれば、

GO出すつもりになっていた。

最終決定の前に外装色チェック。

推し色(オレンジ)を見に、すこし遠方まで出かけた。

目に飛び込んできた実車は、良くない方にインパクト大。

その後、最終金額交渉し、いったん回答持ち帰る。

夫に運転時のふわふわ感が気持ち悪い旨もコメント。

金と色と、そしてふわふわ。

電話で断った。 

セレナは大きな車が必要になった時に、

あらためて検討しよう。

 

結局残ったのは

もともと夫のお気に入りディーラーがホンダだ。

車いす仕様車は、検討済みのN-BOX

フリードプラス、ステップワゴンがある。

ステップワゴンがセレナの競合車なので、

当初は却下したが検討することにした。

どうしよう、選択肢が尽きてきた。

 

4.ホンダ/ステップワゴン

試乗車に乗ってみた

近所の店舗に試乗車があり、

週末息子同行で出かけてみた。

ステップワゴンには、

トヨタ、日産と違ってサスペンション調節機能がなく、

安全傾斜(約10度)のためスロープが長い。

(セレナ1.45mに対し1.755m、ちなみにタントは1.08m)

開口高が低くやや入りにくいが、

乗り込めば快適。セレナ同様箱型車のアドバンテージだ。

運転した感じも良く、

サイズ、排気量ともにセレナより少しコンパクトなので、

金額も少し抑えられそう。

 

及第点で良いのか

開口高の低さとスロープの長さは、

気になるが大きなデメリットにはならず、

これという不満点は無いが、という印象。

加えて外装色ラインナップも同様で、

候補色(水色)は消去法的で決め手に欠いていた。

悪くないが、及第点で決めて良いものだろうか。

 

あちらを立てればこちらが立たぬ

半袖の季節に始めた買い替え検討は、

12月になってもまだ決まらず。

あちらを立てればこちらが立たぬ、なのだ。

疲労を感じながら、

ステップワゴンの商談中に、

ふと目についたフリードクロスターのポスター。

フリードをSUV風にデザインした派生車だが、

鮮やかなオレンジ色で、お、良いねと目を引いた。

車いす仕様車にこの色はあるのか尋ねると、ある、と。 

ちょっと見てみよう、という気持になった。

 

(下)~ちょうどいい!がちょうど良かった編に続く。

(上)~買い替え決定までのいろいろ編はこちら↓↓↓

chikarahaha.hatenablog.com

 

 

【参考】各ディーラーの個人的印象(2019年後半情報)

トヨタ:ラインナップ最多で専門展示場が充実

福祉車両『ウェルキャブ』の専門知識を持つスタッフと、

数種類の車両が常設された「ハートフルプラザ」が各地にある。

ここでは試乗は不可。

フェア期間は混雑するが、普段はゆっくり見学や相談が可能。 

全ラインナップ個別パンフレットがある。

ホンダ:福祉車両の呼称無し

福祉車両に呼称をつけていないのは、

普通車両と福祉車両とを区別しないという姿勢。

福祉車両と専門スタッフ在籍の「オレンジディーラー」が各地にある。

ダイハツ:軽車両のみもラインナップ多

トヨタと提携後、福祉車両は軽のみ。

『フレンドシップシリーズ』はバリアフリー展常連。

web、パンフレットともに内容充実。

日産:ミニバンは病院や施設で多用

『ライフケアビークル』は、

web、パンフレットともに最もわかりやすい。

ラインナップは貨物系も含めて多彩。

スズキ:軽車両と軽貨物有り

スズキ『WITHシリーズ』は軽車両のみ。

ダイハツの競合対象。軽貨物車両もあり。

その他ディーラーはラインナップ少

スバル『トランスケア』、三菱『ハーティーラン』は、

車いす仕様軽車両など2,3種類のみ。

マツダはラインナップ少なく呼称もないが、

現在子会社にてカスタマイズ車両を提供している。