妊娠中に観たDVDの中で印象に残った「Ray/レイ」。
最近亡くなったソウルの神様、レイチャールズの成功までの半生を描いた映画だ。
主役のジェイミーフォックスが、レイチャールズにそっくりで話題になりアカデミー賞まで獲ったほど。
http://www.ray-movie.jp/index.php
印象に残ったのは、レイのくりそつぶりや、音楽だけでなく、
レイの子どもの頃の母親との場面だ。
彼は後天的全盲だが、天才的な音楽の才能でその地位を築いた。
でも、それまでの道のりはもちろん順風ではない。
小さい頃、それまで見えてた目がだんだん見えなくなっていく彼に、
母親が言う。
「ママは2度までは助ける。でも3度は助けない。なぜならそれはあなたのためにならないから。」
ついに見えなくなった彼が、家の玄関先でつまづいて倒れた。
大声で、「ママ、ママ、助けて!そこにいるんでしょ!」と泣くが、
すぐ側にいた母親は、助けに行きたいのを我慢して黙って見守っている。
しばらくレイは泣いていたが、ふと、外の馬車の音や、近くの虫の足音に気づく。
音だけでその虫をつかまえて、「ほら、つかまえたよ。ママ。」
母親はそれを見て、レイを抱きしめる。-そう、そうやって生きていってね、と。
力と過ごしてみて、わかった。
育児はやっぱり、「育自」だ。
子どもを育てることじゃない。
親が子どもにしてあげられることは、
守ってあげることでも、育ててあげることでもなく、
子どもが一人で強く生きていくことができる方法を探す『手助け』をするだけ。レイの母親のように。
それには、自分達大人がいろんな引き出しを持ち、強くなければ。
力は、これから、少し苦労をするかもしれない。
でも、それを乗り越えられるように、
今から、彼が生きる力をつけられるよう、見守り応援したいと思っている。