みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

中学生の職場体験学習

おねえNの学校では、2年次に職場体験がある。3日間。
基本、直行直帰。ボランティアみたいなもんか。
(Nたちは終了後学校に報告の義務を課されたらしく、ぶうぶう言っていた)
 
様々な職場が選択肢の中、Nはデイサービスの施設に行くことになった。
福祉施設、N的には、力のことがあり、同年代のお友だちよりも身近な感じだったらしい。
 
3日のうち、1日目は「お話しを聞いてあげてお相手」という業務。
Nは帰宅時、「もーう、ぜんぜんおもしろくなかったしー、何もできんやったしー」
と不平三昧。
面白いことするために行ったわけじゃないとはわかっていても、
やっぱり、何らかの充実感を求めてはいたのだろう。
 
2日目は「介助見学」。
リフトでお風呂の現場を見せてもらったらしい。
「機械でお風呂に入れれるんやね~初めてみたー。」
 
3日目「みんなでお楽しみ会(企画)」。
とうとう、主体になって、お楽しみ企画を考えねばならなかったらしい。
お友だちと電話で話しながらなんだかんだとやっていたが、
結局はビンゴかなんかをやったようだ。
 
で、3日間、どうやった?
と尋ねると、
「大きいちーくんがたくさんおった、って感じやった。ちーくん、大きくなったらあんなところに行くと?」
と聞かれた。
 
「そうねえ、お母さんたちが死んでしまったらお世話する人がおらんくなるけん、行くかもね。
でも、ちーくんが、今からどれだけ自分のことができるようになるか、まだわからんけんね。
もし、施設に行くことになったら、たまには顔見せで遊びに行ってやってよね。」
 
ふーん、と、N。
1日目はおもしろくなかった、と言っていたが、
最終日の後は、
働いてる人すごいねー、私たちが全然理解できんおばあちゃんたちの言葉を、
一瞬でわかっとったよ、と感心していた。
 
少しは「体験」となってくれたのかな。
 
それにしても、「大きいちーくん」ですか。なかなか深いな。
力のような弟が居るならでは、の兄弟児感覚か。