みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

かぎっ子

「かぎっ子」
という言葉は、今でもよく使うのだろうか。

今週頭から、上のお姉ちゃん、いわゆる「かぎっ子」だ。
4月頭からこれまでは、
まず、入学する前は、学校までお姉ちゃんをお迎えに行った。
入学したら、私が早めに帰宅して家でお姉ちゃんを待ち、
帰ってきたら、下のお姉ちゃんを迎えに、また後戻りするように保育園に迎えに行く生活。
上のお姉ちゃん、学校生活にだいぶん慣れてきたし、
登校も下校も、必ず一人ではないので、
今週から、
私の帰宅途中に下のお姉ちゃんを拾って、
上のお姉ちゃんは自分で鍵を開けて、30分ほど一人で家で待つことに。

火曜日からスタート。
お姉ちゃんが帰ってきてもさびしくないように、
置手紙と、宝探しのゲームができるように、部屋にいろいろと仕掛けをして、
朝出てきた。
後で、かぎっこ開始に気づいた夫は、まだそんなことは早い、とかなり怒っていたが。

一日目は、宝探しは難しすぎて断念したらしい。
テレビを見て待っていた。「全然だいじょうぶ!」と。
ちゃんと留守番できたごほうびに、
探せなかったけど、今日の宝物にしていた、私の昔から大事にしているペンダントを贈呈。

二日目は、宝物を探し当てていた。きれいな色のビー玉。
得意げに見せていたが、今日は天気が悪く暗かったので、
ちょっと寂しかったらしい。

三日目の今日、歓迎遠足だった彼女は、きっと疲れているだろう、と、
宝探しはお休みにしていた。
渋滞で少し遅れそうだったので、自宅に電話した。
-留守電になってる!
なんで?今の時間いないってことはどういうこと??
さあーっと血の気が引いた。
恐ろしい想像が次から次へ。

小走りで帰って、鍵を開けようとしたら、お手紙が貼ってあった。
いつも一緒に登下校してもらっている女の子のおばあちゃんからだった。

「鍵がなかったそうなので、うちでお預かりしています。」

ひやー、よかった。そういうことか。鍵なんで忘れたんかな?
いやよかった。よかった。と、迎えに行った。

「何で鍵なかったと?」
「だって、リュックやったもん!」

そうか、鍵、ランドセルに結びつけたままだった。
今日は遠足で、リュックしか持って行ってないやん!!
ごめんごめんー、今まで気づかんやった。

顛末を聞いた。

「あのね、鍵開けようとしたら、リュックやったけん、
あ、ない!ってすぐ気づいたと。
で、どうしよう、と思って、どきどきして、
おかあさあん、って言ってしまった。
でも、お母さんおらんてわかっとったけん、
どうしたらいいか、考えたら、
あ、そうだ、○ちゃんのところにいけばいい!と思いついて、
走っていったと。
そして、家で待たせてもらった。
楽しかったよー、~したり、なんだかんだ・・・・・」

ちょうど、一昨日の夜、
帰宅してもし困ったことがあったら、○ちゃんのところへ行きなさい、
と教えていたので、応用利いたようだ。
多世帯のマンションの利点やなあ~。よかったよう。

まだまだ、ちょっとしたことにも、どきどきだ。