みんなのチカラに~

生後すぐにトリーチャーコリンズ症候群と診断されたチカラ 10回以上の手術と40回以上の入退院を経て成人し生活介護施設に元気に通所中 気管切開と夜間の人工呼吸器 食事は胃ろうから 小さかった末っ子は今では家族の大きな拠りどころです

忘れた頃にやってくる

イメージ 1

昨年、ほとんど家で元気に過ごせなかった6,7月を、
今年は、大波小波はあっても、なんとか入院せずにどうにか終われそう。
体調がいまいちでも、そこまで大きなトピックスがなかったため、
この二ヶ月間の記事更新も、穴ぼこだらけになっていた。
そんな7月の最終週。

「忘れた頃にやってくる」

なんとも、言い得て妙だと思う。
また怖い目にあってしまった。


月曜通園して、プールのことを書いたすぐ後の23時くらいのことだ。
夕方寝たにもかかわらず、夜の注入時、風呂前に寝てしまった。
ちょっと起こして風呂入れてやろ、と思っていつつ待ち時間。
ぐっすり熟睡してるなあ、と思ってふと見ると、顔が土色になってる。

ちょっとちょっと。また息していないんじゃない?
そう思って、ゆさゆさゆすって起こそうと試みた。
いつもはすぐに目を覚まし、何もなかったかのようにぷぷーなどと言って起きるのだが、
その日は眼を開けるが、焦点定まらず。意識がほとんどない状態で、顔はどんどん土色に。

立て抱っこして背中をどんどんたたいたり、足をつねったり、大声で呼んだりするが、
覚醒しない。吸引しても、痰も引けず。
胸が動いていないので、やっぱり無呼吸状態になっている。息を吸うことができなくなっているようだ。

緊急時の対応として聞いていた、
人工鼻を外してカニューレから息を吹き込む、というのもやってみたが、それでも、改善せず。
やってみると息を吹き込むこと自体が意外に難しい。

心臓マッサージみたいなこともやり、
とにかく起こすことだ、と、何くれとやりながら、
今回ばかりは救急車を呼ばなきゃ、電話しなきゃ、と、あせりだした。

いつも、緊急時対応としては、「すぐに」救急車よんだほうがいいですよ、
とアドバイスを受けていて、わかったつもりにはなっているが、
いざこうなると、家に大人が私一人の状況、電話するために力のそばを離れる勇気が出ず、
できることをやってしまおう、と、まずは電話、とはならないのだ。

いろいろやりながら、
救急車呼んだ後の段取りを整理していたり、
救急車来る前に持っていかれたらどうしようどうしよう、と最悪の事態を想像したり、
明日はおねえたちを送っていけなくなってしまうな、と、どうでもいいことを考えたり、
頭が超高速回転状態でいた。

すると、何が良かったのか、少し顔色が戻ってきた。
げぼっと咳きこみ、透明のものを少し吐いて、呼吸が回復してきた。
すぐに酸素2Lを投入して、酸素飽和度をモニタしてみると、98-100で推移して、
その頃は、いつもの顔に戻っていた。しんどい時までは目は開けていたが、もう眠っていた。
投与酸素量を落としても酸素飽和度はほとんど変わらず、
すでに自力で酸素を取り込めているようだった。

そのまま、モニタリングしながら観察していたが、それからは何も起こらず、
酸素を中止しても、数値は下がらず安定していた。


顔色が変って元に戻るまで、後から冷静に考えれば、2分程度の出来事ったと思う。
顔色も、相当やばい、という状態にはなっていなかったので、
危険水域には達していなかったのではないか、と思われる。
その後は大丈夫だったし、目も覚まさなかったが、母は夜は3時過ぎまで、寝れず。

翌朝までそのままずっと寝ており、大丈夫そうだと判断した。
遠足の予定のおねえを集合場所まで送って行くため、その間はヘルパーさんにお願いした。

帰宅すると、注入後に吐いたらしく、そのまま起きたそうだ。
みると、いつも通り、元気に動いていた。

怖いエピソードの翌日は、元気だったが、痰が多い。
それに、昨日と同様、夕方寝て、夜もぐったり寝てしまった。まだ疲れが取れていないのだろう。



午前中に主治医にこの一件について報告と相談をした。
呼吸をしていない時は、酸素バッグという、医療用のいわば「大きな空気入れ」で、
換気してやればいい、とのことだった。

力用の酸素バッグは必要か否か、0歳時から、ちらほら話は出ていたのだが、
必須というわけではないし、自宅にてキープはしてなかった。
バッグがない場合は、カニューレから息を吹き込む、という行為は正解だったらしい。
気管切開しているので、人工呼吸しなければならないところを、
酸素バッグやカニューレから空気を送ってやれば、危ない状態にはならない、とのこと。

でも、今回のような、無呼吸状態を何度か経験すると、
酸素バッグは購入した方が安心だ。近々購入することにした。

念のため、最低今夜一晩は酸素飽和度のモニタリングしてください、
と主治医からのアドバイスを受けて、本日夜もモニタ中。

無呼吸にいつなるかは、予測不能である。
ただ、今までのことを考えると、寝入りばな1時間以内に起こっている。
おそらく、深い眠りに入っていくところで、呼吸もすっかり忘れてしまっているのだろうと推測する。
また、ちょっとしんどかったり、昼寝が少なかったり、その後に体調が悪化したり、と、
何かの要因が重なっていたり、何かの前兆であることが多いようだ。

理想的には、寝る時はすべてモニタリング、というのがベターなのだろうが、
最近の寝相の悪さや、動きの激しさを考えると、ちょっと難しそうだなあ、とも思っている。

とはいえ、背に腹は代えられない。
たまたまいつも気づいて対応でき、危ないことになってはいないが、
もしかすると、本当は気付かないところで深夜、無呼吸状態になっているのかもしれない。

一時モニタ継続やなあ。夏休みと思って浮かれるなよ、と言われている気がした。

とにかく、無事でよかった。