みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

真夏の救急車

 

3度目の救急車。

3度目ながら初めての状況で肝が冷えた。

結論としては、処置室(診察室兼)で解決し、

数時間で帰宅できた。

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終業式でお休みするつもりだったが、

お世話になった学校看護師さんが退職されるとのことで、

少しだけでもお別れを、と準備して、

最後に吸引してスッキリして登校しようとした時のこと。

一回吸引してもう一回、

と見ると、気管切開孔に挿入されているTチューブが消えてる。

え、抜けた?なんで?

と周りを探すも無い。

よく見ると、

チューブ先端が気管切開孔からかすかに見えた。

 

埋もれてる!

うそうそ、なんで??

ちょうど夫もそばにいたので力の体を押さえてもらい、

見え隠れしている先端をピンセットでつまんで引き上げようとしたが、

力は異物混入状態でゲホゲホ咳き込み、

その勢いでチューブの姿が見えなくなった。

血の気が引いた。

 

夫に救急車を呼んでもらい、

私は吸引吸引。

顔色は悪く無いが、咳き込みしんどそう。
救急車が約10分程度で到着予定とのこと。

その間に、夫は耳鼻咽喉科のかかりつけ病院に電話、

私は本丸のかかりつけ病院の主治医に電話。

 

このチューブ形状なら埋まり込んでも、

気道を完全閉塞の可能性は高くない筈だと信じて、

救急車に乗る準備をした。

救急隊員から折り返し電話あり、状況説明。

予定通り10分程度で来てくれた。3人。

 

バイタルチェックし、簡易担架で運んでもらう。

私は最小限の荷物持ち同乗。夫は家で待機してもらった。

 

うちから約20分の耳鼻科のかかりつけには予定通り到着。

力は車内では酸素多め投与し、ほぼ安定状態だった。

吸引は乗車前、乗車後、降車前の3、4度で済んだ。

 

到着後、そのまま耳鼻科診察室に直行し入室。

私は外で待ち、程なく呼ばれると、

もうちゃんとチューブが復旧していた。

 

抜去はあっても埋没は聞いたことがないと言われた。

それはそうだろう、そんな形状ではないもの。

 

力の気管切開部分に挿入している「Tチューブ」は、

使用率が低い、珍しいタイプの気道挿入管だ。

力の気道の形状に合わせてオーダーで作ってもらう。

気道にぴったり沿う柔らかいシリコン製。

交換頻度も1年以上。

 

力がよく動くので、

約10年前の使用し始めて数年の間に、

抜去アクシデントは何度か経験している。

(大事に至らず)

が、、埋まり込むなんて。

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(前々回の交換時にもらったTチューブ本体)

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(横から見るとこんな感じで挿入されている)

(不細工な絵ですみません)

 

外に出ている部分をつまんで、

まっすぐ引っ張れば簡単に抜けるが、

そんなことしなければ、

気道にはまっているので簡単には抜けない。

なので、これが中に埋もれるなんて。驚きだ。

 

主治医は学会で不在だったが、

問題なく処置終了。

でも、また埋没しないとも限らないので、

一旦気管カニューレに変えることになった。

こちらは気管切開の一般的な気道確保管。

孔の外側にカフがあり、

首にぐるっとバンド(紐)をつけて外れないように保持する。

 

力も最初はカニューレだったが、

バンドが首に擦れて褥瘡がひどくなったり、

気管孔内部に肉芽が何度もできたりで、

現在のチューブに変わった経緯がある。

その旨伝えたが、安全のためと、

主治医が不在なので、今後どうするか、

後日の診察で決めましょう、と、

一時的対処となった。

カニューレ久しぶりだ。

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処置終わり、夫に迎えに来てもらい、

帰宅しようとすると、

カニューレ挿入部が抜けてる!

看護師さんに処置してもらい、

抜けたら再挿入してください、と。

そんなもん?え、そんなもん?と帰宅。

 

体調安定はしていたが、

動くと外れる、が数度。

訪問看護師さんに問い合わせして、

再度耳鼻科医に電話してみては、と、

もし対応してくれなければ、

紐の付け方の工夫をアドバイスもらった。

(看護師さんオフだったのにすみません。。)

 

耳鼻科医は、やっぱり、

外れても再挿入すれば良いとの回答。

そこで紐調整でなんとか安定。

入浴も無事できて、

普通に入眠した。

 

なんて日だ。なんてレアなケースに遭ってしまったんだろう。

 

でも無事でよかった。

夫も在宅勤務中だったのも、

登校準備していてすぐ出られる状態だったのも良かったし。

 

感染症のために、

救急隊員さんは防護服とマスクとゴーグルの完全装備。

救急車内もエアコンはついていても換気もしており、

私はマスクだけだったのに、

顔から体から汗まみれになっていた。

こんな中、淡々と冷静に救急活動をしてくださって、

隊員さん達に感謝感謝の、

真夏の救急車の日。

当地、この日、日本で1番暑い日だったそうな。

 

できることやっていかねば。